季節の言葉

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春の言葉

 御一緒にままごと遊びのござを敷いたあの梅の木の下を今朝一掃きしておりましたら、南の枝はもう二輪咲きそめて

 水ぬるむなんて詩的だけど、朝の炊事がらくになったことで春に気づくなんて、私も現実的で変ったでしょう。

 うららかな空の色、陽の光にふっと畦道を歩きたい思いにかられます。騒々しい東京に住む者の望郷でしょう。

 銀一色の冬景色も一雨ごとに淡くとけて、和やかに春めいてまいりました。冬寵りに縮まった背がのびるようです。

夏の言葉

 明けてもくれても雨、雨、雨、ほんとうにこころのなかまでしめってしまうようなこの頃の雨。

 日中の暑さをお洗濯でまぎらしています。いそがしくて海へも、山へもでかけられない私にとって、お洗濯がいちばん楽しい日課です。

 毎朝起きるとすぐ、朝顔の花を数えるのがたのしみです。ことしは、お祖父さまの丹精で瑠璃むらさき絞りなど皆大輪です。

 さすが陽の影が濃くなってまいりまして、ひぐらしのなく声で季節のあわただしさを感じさせます。

秋の言葉

 るりいろに澄み切った美しい秋空を仰いで、ひとしおおなつかしく存じているこのごろでございます。

 芳醇な香りがただよう季節となりました。御機嫌いかがでいらっしゃいますか。田園からお伺い申し上げます。

 あのように賑やかでした海辺もさびれて、冷たい風が吹きつけております。御機嫌よくおいででございますか。

 こんな美しい夜があるかしらと思われる月夜がつづいております。日頃の御無沙汰のおわびをしたくて。ヘンを取りました。

冬の言葉

 樹々の葉も、今は全く落ちつくして、山々は地肌をあらわし、毎日のように木枯しが吹きすさぶ頃となりました。

 早くも十二月、美しいクリスマスデコレーションと、にぎやかな大売り出しのジンクが心をうきたたせる頃となりました。

 今年もはや残り少なになって、道行く人の足音もせわしそうな、年の暮がやってまいりました。

 お正月がすんでみると、急に冬がたち返ってきたようでございます。お寒さもいよいよきびしくなることでございましょう。

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