就職斡旋の依頼

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XX先生

 過日来は御多忙中にもかかわらず種々御配慮に預り、ありがたく厚く御礼申し上げます。その後はつい心ならずも御無音に打過ぎ、誠に申訳もございません。何とぞ御寛恕(ごかんじょ)のほど、ひとえに御願い申し上げます。

 さて先日申し上げました通り、×XXX新聞社は、先生の御尽力にもかかわらず私の実力不足のため不合格となりました、誠に慚愧(ざんき)に堪えませぬ。その後XXXX社を受験いたしましたところ、これには例の経田君も来ておりましたが、五人採用のところ約七百名の志願者に交り私は僥倖(ぎょうこう)にも第三次選考まで無事漕ぎつけましたあと、最後の一踏ん張りというところで残念にも失敗いたしました。

重ねての憂目を見ましては、全く幻滅の悲哀を感じ、自信を失ってしまいました。

 青年には悲観は禁物だとは十分承知しておりますものの、憂悶(ゆうもん)の日を重ねてこの上の御願いに参上いたしますのも面映(おもは)ゆく、参上もいたしかねておりました。悪しからずお許し下さいませ。

 今は私としまして切に希望するとこもございません。重ねて御願い申し上げますのは誠に恐縮ではありますが、方針を変えまして官庁でも会社でも、その他いずれの方面でも結構でございますから、確実で将来性のあるお心当りのところへ御斡旋願えませんでしょうか。

日頃の御厚情に甘え、御高配のほど切に御願い申し上げる次第でございます。失礼をも顧(かえり)みず、毎々御無理の儀を願い出でまして、何とも申訳のないことでございますが、何とぞ衷情(ちゅうじょう)御汲みとり下さいまして、よろしく御願い申し上げます。

 数日中にお電話で御都合お伺いいたしました上、参邸いたしたいのでございます。万々改めて申しあげたく存じます。

 時節柄御自愛専一にお祈りいたします。敬具

大学は出たけれど(就職の依頼)

謹啓

 春和(しゅんわ)日増しに心地よく覚えます折柄、いよいよ御健勝の御事とお喜び申し上げます。いつもは後無沙汰ばかり致して申訳ございません。

 さて私事本年三月、XXX大学経済学部を卒業しましたので、どこかへ就職したいと存じまして伝手を求めて各方面に運動いたしていましたが、財界不況の折柄思わしい口もございませんので、いまだに親の厄介になっている始末でございます。

就いては誠に厚かましい御願いで恐れ入りますが、賢堂(けんどう)は御交際もお広い方、どこか御心当りもございませんでしょうか。若しございましたら何卒お世話頂きとう存じます。幸いにして御世話になれましたら力の限り働きまして、お顔を汚すようなことは誓って致しませんから、どうぞよろしく御願い申し上げます。なお念のため履歴書一通封入致して置きました。先は右御願いまで。敬具

苦境の失業者から(就職の依頼)

 寒さも大分うすらぎ、しのぎよい季節と相成りました。皆様お変りございませんか。お伺い申し上げます。私こと昨冬来、工場の閉鎖にて職を失い、皆様の御同情やたけのこ生活にて漸く年を越した始末でございます。

その後、職業安定所にも日参致し、また先輩知人にも依頼いたしておりますが、不況深刻の折柄、思わしい職もないままで今日に至りました。御承知のにごとき大家族を抱えて誠に困却致しております。

大の男の泣事に、さぞ御不快のことと存じますが、目下のところ万事休すのていたらくでございます。苦境の際はいつも何かと迷惑を相かけおります先生よりほかに、もはやお願い致す人もございません。職業についての一切の希望は申し上げません。今日只今のこの身の振り方だけで、胸がいっぱいになっている次第でございます。

何卒、御心当りへの御周旋方、伏して懇願致します。いかなる職業、いかなる場所も選びません。ただただ先生の御取計いにて、どこかへ御世話頂きたく、失礼をも省りみず、書中を以ってお願い申し上げる次第でございます。

紹介を依頼する

 拝啓 霜寒(そうかん)の候すでに流感患者続出の有様ですが、皆々様には御揃い御清健に御過ごしのことと御悦び申し上げます。

 さて私こと来る十一月早々社用をもって上京のはずでありますが、途中京都に立ち寄り神尾武雄氏に拝面、東京方面の用件につき御示教願いたいことがございますので、御多繁中誠に恐縮ながら商工会議所会頭としての尊台の御紹介状を賜わりたいのでございます。明後日午後会議所の方へ参上いたしたく、何とぞ御清諾、御引見のほど御願い申し上げます。

拝眉(はいび)万々でございます。

 時下一段の御自愛御祈り申し上げます。敬具

専務に面会したいから(紹介の依頼)

 御無沙汰をしております。お変りのない事と存じます。

 さて突然ながら、至急御社の山中専務殿に面会したい用件を生じました。誠に恐縮ながら、御紹介の労を賜わりたく、御願い申し上げます。

 近々に当地にお越しの由に伝聞しております。

その節はお宿是非お知らせに預りたく、久々に拝眉いろいろ御清話伺いとう存じます。

 右お願いかたがた。匆々

家庭教師の紹介を頼む(婦人用)

 久しく御無沙汰申し土げましたがお変りもございませんか、私方も一同元気で暮していますから御安心下さいませ。

 さて甚だ突然の御願いで恐縮に存じますが、現在A女学院の二年に通学致しております由起子が、病気で一年間欠席を続けましたため、どうも英語の成績が思わしくなく、当人も困っているのでございます。

つきましては御宅様の御知合いでどなたか一週に二三回ぐらいづつ御教授願えるようなお方はございませんでしょうか、若しお心当りのお方でもございましたら是非御紹介願いとう存じまして御伺い申し上げましたような次第でございます。

何卒よろしく御配慮下さいますよう勝手ながら御願い申し上げます。

 末筆ながら御主人様へもよろしく御伝え下さいませ。かしこ

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