夫を亡った人へ

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拝啓 先ほど電報拝受、御主人様遂に御永眠の趣(おもむき)、何とも申し上げようもない御愁傷と存じます。年来の闘病生活によくお尽しになりましたことども、時々御主人様よりのおたよりで承知しておりますだけに、あなた様の御遺憾のほど、拝察に余りあるものがございます。

差当ってはお気も張り、事に紛れ、何かと思出話などにお心も紛れましょうが、その内お疲れも出たり、お寂しさも増してまいりますことゆえ、皆様御自愛一段を加えさせられ、御祭祀専一になさいますようお祈りいたします。

何かと思いましたものの、遠方のことで思うに任せませんので御香典一封ここに加封いたしました。御霊前にお供え願いとう存じます。

皆様にもよろしくお伝え頂きたく、家妻からも御弔辞ひたすら申し出でました。敬具

泉下(せんか)に感泣(かんきゅう)しますことと(上の返事 ― 婦人用)

拝復 主人死去につき早速に御懇ろな弔慰を賜わりましたのみか、御心入れの御供物まで頂きまして、御芳情のほど主人も泉下に感泣しますことと、身に沁みておりがたく存じ上げます。多年の療養とは申しながらこのような急変がありましょうとは思いがけぬことでございました。二三日は嘆きもございましたが、これも定まる運命と諦めまして、一同心を励まし、無事に祭祀第一と務めておりますゆえ、何とぞ御安心下さいまし。文意もまとまりませず、乱筆失礼ながら、右厚く御礼申し上げます。

時節柄御一同様せっかく御いとい遊ばしますよう、御祈りいたしております。かしこ

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