第12章 問合せの手紙

問合せの手紙の書き方について

 問合せ手紙は、照会状ともいうもので、いわば実用向の手紙である。ものごとを問合せてその返事を貰うのが目的だから、先ずその問合せることがらを簡単に且つ明瞭に書くということが肝要である。何を問合せて来たのか、さっぱりわからないというようなのは困る。時候の挨拶や無沙汰の詑びなどを長々と書き立てて、さてその後に問合せることがらを、ほんのちょぴっと書く、などというのも感心しない。

 だから、前にもいったように問合せの手紙は手紙の中でも、実用向のものだから、なるべく余計な文句は省略して、要件だけをかいつまんで書くように心掛けなければならない。従って文字なども丁寧に書いて、相手に判読させるようなことのないよう注意したいものである。

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一、自分にも相手にも何等かの利害関係をもつ事柄について問合せをする時は、そのことについての相手の精神上並びに物質上の負担のことを明瞭に書いておかなければならない。

二、問合せることがらがいくつかある場合には、箇条書にすると簡明でよろしい。

三、親しい人との間、または目上の人への手紙に、あまり事務的な文句ばかり並べるのもまことに情味がないと思う場合など、用事は用事ではっきり書いて、それに親しみ深い挨拶などを添えるようにすればよい。

四、問合せの手紙を出すには相手をよく考えなければならない。あまり親密でない人や目上の人などに手数のかかる問合せを出すなどということは考えものである。場合によっては返信料を添えるか、はがきを封人するか、または封筒にちゃんとこちらの住所姓名を記載し(はがきでも同じ)切手を貼り用箋まで添えたものを封入して、先方はただ返事を書いて出しさえすればいいようにしておくこともある。

五、住所の問合せには、あるいは先方が警戒をするようなことがないとも限らない、だからその尋ねている人と自分との間柄や住所を知りたい訳など、先方が安心するように書くがよい。

六、身元を問合せる場合には、その問合せする当人の名前は手紙の中に書かず、別に小さいカードか紙片に書いて封入する方法もある。これは手紙の場合だと誰かに読まれたり、秘密が洩れてしまう恐れがあるからである。

七、問合せの手紙は事の大小を問わず、なるべく親展書にした方がいい、というように考えている向きもあるが、必ずしもそうとは限らない。前項の身元問合せの場合など無論、封書(親展)がよいが、たとえば簡単な日時の問合せなどハガキ(往復はがき)でも構わない。

八、物品着否の問合せは発送の日時と、宅配便とか小包便とかを書き、何日を経過したがと当然つくべきはずの日数を経過した後に書くべきもの、その場合は半ば先方の怠慢を責める意味も含まれているのであるが、もしや途中の事故でも起ったのではないかという場合もあるから「この手紙ご覧になり次第、着否のご返事を願う」といっても決して先方に対して失礼ではない。

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